水使いとの戦い 1
今回はバトルレポートではない。
何故バトルレポートでないのか?それは、『ダブルバトルレポート』だからだ。
―水使いとの戦い―
バスでの移動中の最中、私は強烈な睡魔に襲われ、今にも眠ろうとしていた。
そこに…
「十六夜、やらないか?」
そう言って彼はポケットから一台のDSを取り出して言った。
「……!」
眠気など、一気に吹き飛んでしまった。彼――Arsとはよくポケモンについて話をする仲だ。そんな彼がポケットからDSを出す…それは、もはや説明は不要だろう。
「いいね…。何体でやる?4?それとも5?やっぱりフルバトル?」
「フルで。シングルとダブル、どっちにする?」
「そうだね…じゃあ、ダブルにしようかな。試してみたいのがあるしね」
「ん、じゃあ早速やろうか。いつも通り、俺は水しか使わないけど」
まるで、遊びに行くような感覚で戦いの舞台の幕が上がっていく……。
「リーグの時のメンバーとは一味違いそうだね…。…そのメンバーに満足してる?」
「いや、これで完成だなんて思ってはダメだ」
「流石だねぇ…。さて、始めようか?」
「本調子じゃないけどな」
「それはお互い様だね」
こうして、私と一人の廃人との戦が始まった…!
「いけ~! フライゴン! トゲキッス!」
「俺はオムスターとギャラドスだ」
フライゴンは地面・ドラゴンのポケモン。初代でいうカイリューである。
もう一方のトゲキッスは防御に優れたノーマル・飛行の耐久型。
対するArsのオムスターは化石から生まれた、初代からの水ポケモン。
皆さんお馴染ギャラドスは、タイプが水・飛行であるため、弱点である電気のダメージが4倍になってしまうが、強力なポケモンだ。
ギャラドスが場に出たため、特性『威嚇』により、私の2体の攻撃が下がってしまう。
「トゲキッスは構わないんだけどね…。ちょっと戦いにくくなったかな…」
「大丈夫。そんなのが気にならない位に戦いにくくしてやる」
Arsが不吉な宣言をするが、私はそれ程気にも留めていなかった。何故なら…
「な…!? フライゴンが身代わり!?」
そう。私はこのフライゴンの技の1つを身代わりにしておいたのだ。HPを少し支払い、身代わりを出現させる。
「これで、身代わりが消えるまで、状態異常にはならないからね。邪魔が減る。さあ!攻撃だ!」
トゲキッスの原始の力!
これにより、ギャラドスのHPを半分程にまで減らした。
順風満帆な1ターン目。それは、彼のコンボによって打ち砕かれた。
オムスターの毒びし!
「え!? まさか!?」
「そうだ。『イチブイ』にいたフォレトスの応用だ。戦いにくいだろう? だが、これだけじゃない!」
ギャラドスの吼える!
吼える。相手のポケモンを強制的に交換させる技だ。これにより、トゲキッスが手持ちに戻ってしまった。
「ぐ…レントラーか…」
毒びしの効果により、繰り出されたのは電気ポケモンのレントラー。素早さは低いが、物理の電気攻撃は強力だ。
さっき撒かれた毒びしにより、毒状態になってしまう。だが、
「蛇が出たか……失敗したな…」
Arsは水パーティだ。そのため、弱点である電気や草は必要以上に警戒する必要があるのだ。
しかし、こちらとしてもレントラーは扱いにくい。何故か? それは、地面持ちの水ポケモンに交代される事で電気技が無効化されるかもしれないからだ。
そこで、私は悪タイプの噛み砕くを選択する。
しかし、彼はギャラドスとオムスターを…
「交代しない!? どうして!?」
「ん? 毒にするから」
――廃人の思考を読むには、まだ力量が足りないな。
そのターン、フライゴンはギャラドスにドラゴンクローを放ち、レントラーはオムナイトを噛み砕いた。
そして、
オムスターの毒びし!
「…まずいね…」
次から出したポケモンは猛毒になる…。だが、これだけではない。それは、先の彼の言葉が物語っている。
「よし。ギャラドスの吼えるで猛毒に…」
ギャラドスは怯んだ!
「は…? な…なんで…」
「持ち物に鋭いツメを持たせたから…だね」
鋭いツメをもったポケモンの攻撃には、一定の確率で怯みの効果が付与される。今回は、運がよかっただけなのだろうが。
「…なら、こうだ!」
次のターン、Arsはギャラドスをシャワーズに交代した。イーブイから進化する、水タイプの耐久ポケモン。
そこにフライゴンがドラゴンクローを叩き込む!
「今度こそ!」
レントラーのスパーク! 効果は抜群だ!
だが、オムスターはまだ倒れていない。
「これで完成だ!」
オムスターのステルスロック!
「…っ!」
ステルスロック。毒びしと同じ様に、交代したポケモンに対して威力を発揮する技だ。
だが、この技は飛行タイプにも効果がある。
これで、交代した瞬間にダメージ+猛毒というコンボが完成してしまった…。
「さて、回復させてもらう」
シャワーズが食べ残しで回復をした。
「だったら!レントラーをトゲキッスと交代だ!」
ターンが変わるやいなや、私はレントラーとトゲキッスと交代した。勝負の切り札は最後まで取っておくもの(by蒼羽)らしい。
話は戻ってトゲキッス。飛行タイプなので、毒びしの効果を受けない。しかし、ステルスロックのダメージを受けてしまう。
「地震でまとめて倒してやる!」
「残念。それは無理だな」
オムスターの守る!
これによって、このターンはオムスターへの攻撃は無効化される。
「な…読まれた!?」
「いや、ただ攻撃技を持ってないだけ」
フライゴンの地震!
地震は地面タイプ。飛行タイプや特性『浮遊』には当たらないので、シャワーズだけがダメージを受けた。
「時間稼ぎさせてもらう」
シャワーズの身代わり!
「うわ…手間取りそう…」
そして、トゲキッスとシャワーズの2体はターン終了時に食べ残しで少し回復した。
次のターン。
「これでオムスターは終わりだ!」
オムスターのHPは、フライゴンが地震を当てれば沈む程である。守るが連続で成功する事はあまりない。しかし、
「そうは問屋が卸さない」
そう言い、ほぼ何も出来なくなったオムスターをオクタンに交代したのだ。
オクタンはタコの形をしたポケモン。素早さ・耐久共に高くはないが、特性が『スナイパー』ならば、攻撃を急所に当てた瞬間、2倍になるはずのダメージが4倍になる。
だが、そんな事はお構いなしにオクタンへ、フライゴンの地震と、トゲキッスの原始の力が襲い掛かる!
シャワーズも地震を受けるが、身代わりさえも健在である。
「身代わり、しぶといね…」
「これでも一応、受けだしな。だから食べ残しを持たせてる。……ついでにこんな技もな!」
シャワーズの威張る!
「うわっ…!? …外れた…?」
威張る…相手の攻撃を二段階上げ、混乱させる技だ。命中は高く、90ある。
「くっ…十六夜、悪運強いな…」
なんにせよ、いばみが型(威張る+身代わりで戦う型。『イチブイ』参照)のシャワーズは危険である。
「シャワーズ…!潰させてもらうよ!」
―『水使いとの戦い2』に続きます
何故バトルレポートでないのか?それは、『ダブルバトルレポート』だからだ。
―水使いとの戦い―
バスでの移動中の最中、私は強烈な睡魔に襲われ、今にも眠ろうとしていた。
そこに…
「十六夜、やらないか?」
そう言って彼はポケットから一台のDSを取り出して言った。
「……!」
眠気など、一気に吹き飛んでしまった。彼――Arsとはよくポケモンについて話をする仲だ。そんな彼がポケットからDSを出す…それは、もはや説明は不要だろう。
「いいね…。何体でやる?4?それとも5?やっぱりフルバトル?」
「フルで。シングルとダブル、どっちにする?」
「そうだね…じゃあ、ダブルにしようかな。試してみたいのがあるしね」
「ん、じゃあ早速やろうか。いつも通り、俺は水しか使わないけど」
まるで、遊びに行くような感覚で戦いの舞台の幕が上がっていく……。
「リーグの時のメンバーとは一味違いそうだね…。…そのメンバーに満足してる?」
「いや、これで完成だなんて思ってはダメだ」
「流石だねぇ…。さて、始めようか?」
「本調子じゃないけどな」
「それはお互い様だね」
こうして、私と一人の廃人との戦が始まった…!
「いけ~! フライゴン! トゲキッス!」
「俺はオムスターとギャラドスだ」
フライゴンは地面・ドラゴンのポケモン。初代でいうカイリューである。
もう一方のトゲキッスは防御に優れたノーマル・飛行の耐久型。
対するArsのオムスターは化石から生まれた、初代からの水ポケモン。
皆さんお馴染ギャラドスは、タイプが水・飛行であるため、弱点である電気のダメージが4倍になってしまうが、強力なポケモンだ。
ギャラドスが場に出たため、特性『威嚇』により、私の2体の攻撃が下がってしまう。
「トゲキッスは構わないんだけどね…。ちょっと戦いにくくなったかな…」
「大丈夫。そんなのが気にならない位に戦いにくくしてやる」
Arsが不吉な宣言をするが、私はそれ程気にも留めていなかった。何故なら…
「な…!? フライゴンが身代わり!?」
そう。私はこのフライゴンの技の1つを身代わりにしておいたのだ。HPを少し支払い、身代わりを出現させる。
「これで、身代わりが消えるまで、状態異常にはならないからね。邪魔が減る。さあ!攻撃だ!」
トゲキッスの原始の力!
これにより、ギャラドスのHPを半分程にまで減らした。
順風満帆な1ターン目。それは、彼のコンボによって打ち砕かれた。
オムスターの毒びし!
「え!? まさか!?」
「そうだ。『イチブイ』にいたフォレトスの応用だ。戦いにくいだろう? だが、これだけじゃない!」
ギャラドスの吼える!
吼える。相手のポケモンを強制的に交換させる技だ。これにより、トゲキッスが手持ちに戻ってしまった。
「ぐ…レントラーか…」
毒びしの効果により、繰り出されたのは電気ポケモンのレントラー。素早さは低いが、物理の電気攻撃は強力だ。
さっき撒かれた毒びしにより、毒状態になってしまう。だが、
「蛇が出たか……失敗したな…」
Arsは水パーティだ。そのため、弱点である電気や草は必要以上に警戒する必要があるのだ。
しかし、こちらとしてもレントラーは扱いにくい。何故か? それは、地面持ちの水ポケモンに交代される事で電気技が無効化されるかもしれないからだ。
そこで、私は悪タイプの噛み砕くを選択する。
しかし、彼はギャラドスとオムスターを…
「交代しない!? どうして!?」
「ん? 毒にするから」
――廃人の思考を読むには、まだ力量が足りないな。
そのターン、フライゴンはギャラドスにドラゴンクローを放ち、レントラーはオムナイトを噛み砕いた。
そして、
オムスターの毒びし!
「…まずいね…」
次から出したポケモンは猛毒になる…。だが、これだけではない。それは、先の彼の言葉が物語っている。
「よし。ギャラドスの吼えるで猛毒に…」
ギャラドスは怯んだ!
「は…? な…なんで…」
「持ち物に鋭いツメを持たせたから…だね」
鋭いツメをもったポケモンの攻撃には、一定の確率で怯みの効果が付与される。今回は、運がよかっただけなのだろうが。
「…なら、こうだ!」
次のターン、Arsはギャラドスをシャワーズに交代した。イーブイから進化する、水タイプの耐久ポケモン。
そこにフライゴンがドラゴンクローを叩き込む!
「今度こそ!」
レントラーのスパーク! 効果は抜群だ!
だが、オムスターはまだ倒れていない。
「これで完成だ!」
オムスターのステルスロック!
「…っ!」
ステルスロック。毒びしと同じ様に、交代したポケモンに対して威力を発揮する技だ。
だが、この技は飛行タイプにも効果がある。
これで、交代した瞬間にダメージ+猛毒というコンボが完成してしまった…。
「さて、回復させてもらう」
シャワーズが食べ残しで回復をした。
「だったら!レントラーをトゲキッスと交代だ!」
ターンが変わるやいなや、私はレントラーとトゲキッスと交代した。勝負の切り札は最後まで取っておくもの(by蒼羽)らしい。
話は戻ってトゲキッス。飛行タイプなので、毒びしの効果を受けない。しかし、ステルスロックのダメージを受けてしまう。
「地震でまとめて倒してやる!」
「残念。それは無理だな」
オムスターの守る!
これによって、このターンはオムスターへの攻撃は無効化される。
「な…読まれた!?」
「いや、ただ攻撃技を持ってないだけ」
フライゴンの地震!
地震は地面タイプ。飛行タイプや特性『浮遊』には当たらないので、シャワーズだけがダメージを受けた。
「時間稼ぎさせてもらう」
シャワーズの身代わり!
「うわ…手間取りそう…」
そして、トゲキッスとシャワーズの2体はターン終了時に食べ残しで少し回復した。
次のターン。
「これでオムスターは終わりだ!」
オムスターのHPは、フライゴンが地震を当てれば沈む程である。守るが連続で成功する事はあまりない。しかし、
「そうは問屋が卸さない」
そう言い、ほぼ何も出来なくなったオムスターをオクタンに交代したのだ。
オクタンはタコの形をしたポケモン。素早さ・耐久共に高くはないが、特性が『スナイパー』ならば、攻撃を急所に当てた瞬間、2倍になるはずのダメージが4倍になる。
だが、そんな事はお構いなしにオクタンへ、フライゴンの地震と、トゲキッスの原始の力が襲い掛かる!
シャワーズも地震を受けるが、身代わりさえも健在である。
「身代わり、しぶといね…」
「これでも一応、受けだしな。だから食べ残しを持たせてる。……ついでにこんな技もな!」
シャワーズの威張る!
「うわっ…!? …外れた…?」
威張る…相手の攻撃を二段階上げ、混乱させる技だ。命中は高く、90ある。
「くっ…十六夜、悪運強いな…」
なんにせよ、いばみが型(威張る+身代わりで戦う型。『イチブイ』参照)のシャワーズは危険である。
「シャワーズ…!潰させてもらうよ!」
―『水使いとの戦い2』に続きます
by rainbow-dice
| 2007-09-25 00:20
| バトルレポート